太陽光 FIP制度とは|固定と市場連動どちらを選ぶか

\u592a\u967d\u5149 FIP\u5236\u5ea6\u3068\u306f\uff5cFIT\u3068\u306e\u9055\u3044\u3068\u6295\u8cc7\u3078\u306e\u5f71\u97ff 制度

本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。

分譲太陽光の物件一覧を眺めていて、50kWを超える地上設置の案件に「FIT」ではなく「FIP」と書かれているのを見て、手が止まった。売電単価が固定なのか、それとも市場に振られるのか、収益シミュレーションはそのまま信じてよいのか。出力区分が上がった途端に制度名が変わることに戸惑う投資家は少なくありません。

先に結論を言えば、選ぶべき制度は好みではなく物件の出力区分でほぼ決まります。2026年度は50kW未満なら固定単価のFIT、50kW以上は原則FIPのみ、という線引きだからです。判断の軸は一つで、売電単価が市場価格に連動するFIP特有の値動きリスクを自分で負えるかどうか。安定したキャッシュフローを最優先するなら50kW未満のFIT区分、電力市場の上振れを取りにいく体力と管理力があるなら50kW以上のFIP、という考え方になります。太陽光投資の全体像は太陽光投資とは|売電の仕組みと実質で手元に残る利回りで整理していますので、基礎から確認したい場合はそちらを先にご覧ください。

FIP制度とは|基準価格とプレミアムで市場に上乗せする仕組み

太陽光発電所を巡回する作業員
発電所を巡回し確認する様子(イメージ)

FIP(Feed-in Premium=フィードインプレミアム)制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を、発電事業者が卸電力市場や相対契約などで自ら販売し、その売電収入に「プレミアム(補助額)」を上乗せして受け取る制度です。あらかじめ制度で定められた基準価格(FIP価格)から、市場で期待できる平均的な収入にあたる参照価格を差し引いた額が、プレミアムの単価として発電量に応じて交付されます。

ここが固定価格買取のFITと決定的に違う点です。FITは売った電気をあらかじめ決まった単価で電力会社が買い取るため、単価は最初から最後まで一定です。一方FIPは、実際の売電単価が市場価格に沿って上下し、そこにプレミアムが乗る形になります。市場価格が高いときは受取総額が増え、安いときは減る。値動きの一部を発電事業者が引き受ける代わりに、需要の高い時間帯に売る工夫が収益に直結する設計です。

FIPは電力を「市場に統合していく」ことをねらった制度で、大規模な事業者ほど対象になりやすくなっています。個人投資家が扱う低圧(50kW未満)は現状FITが中心で、FIPは高圧以上の区分が主戦場だと押さえておくと整理しやすくなります。

FITとFIPの違いを表で比較する

両制度の性格の違いを、投資判断に効く項目でまとめます。単価の呼び方も異なり、FITは「調達価格」、FIPは「基準価格」(入札区分では上限価格)と呼びます。

項目 FIT(固定価格買取) FIP(フィードインプレミアム)
単価の呼称 調達価格 基準価格
売電単価 期間中ずっと固定 市場価格に連動+プレミアム
価格変動リスク 発電事業者は負わない 発電事業者が一部を負う
売り先 電力会社が買取義務 市場・相対で自ら販売
2026年度の主な対象 50kW未満(一定条件) 50kW以上(条件を満たせば50kW未満も可)
期間 調達期間20年(10kW未満は10年) 交付期間20年

大づかみに言えば、FITは「単価が読める代わりに上振れもない」、FIPは「読みにくい代わりに市場が高いときは伸びる」制度です。回収計画を堅く引きたい人ほどFITが向き、電力価格の見通しに賭けられる人ほどFIPの余地がある、という関係になります。

2026年度のFIP基準価格と対象区分

地上設置型太陽光パネルと作業員
太陽光発電設備の基礎構造(イメージ)

2026年度は、FIP制度が認められる対象を原則50kW以上としています。地上設置の50kW以上(入札対象外=250kW未満)は、2026・2027年度はFIPのみが認められ、この区分のFITは認められません。一方で事業用太陽光は、一定の条件を満たせば50kW未満でもFIPを選べます。沖縄地域や離島等の供給エリアでは、FIPのみとされる区分でもFITの適用が可能です。

具体的な2026年度の単価は次のとおりです(税抜。課税事業者は消費税を加えた額、免税事業者は消費税を含む額)。

区分(2026年度・地上設置) FIT調達価格 FIP基準価格 期間
10kW以上50kW未満 9.9円/kWh 9.9円/kWh 20年
50kW以上(入札対象外・250kW未満) 設定なし 9.6円/kWh 20年
250kW以上(入札制) 供給価格上限 9.60円/kWh 、 20年

10kW以上50kW未満はFITとFIPで基準となる単価が同じ9.9円に設定されており、この区分では「固定にするか市場連動にするか」を単価差なしで選ぶ形になります。50kW以上は基準価格9.6円のFIP一本です。なお10kW以上50kW未満をFITで新規認定する場合は、地域活用要件(設置場所で少なくとも30%の自家消費を行い、災害時に自立運転して給電用コンセントを開放すること)を満たす必要があります。全量売電を前提にした投資では、この要件の有無が計画を左右します。

FIP転(FITからFIPへの移行)とは何か

検索で見かける「FIP転」は、すでにFIT認定を受けている案件を、後からFIP制度へ切り替えることを指します。2026年度以前に認定を受けた案件や、2026年度の入札で落札した案件については、FIPへの移行が認められています。つまり既存のFIT発電所の持ち主も、条件が合えばFIPに転じる選択肢を持っています。

FIP転の動機は、固定単価で頭打ちになっている収入を、電力市場が高いときに取りにいける形へ変えることにあります。ただし、市場で売る以上は価格が下がる局面のリスクも同時に引き受けます。市場取引や需給の予測、必要に応じてアグリゲーター(複数の発電・需要を束ねて市場対応を代行する事業者)への委託といった運用体制が前提になるため、「単価が上がるかもしれない」という一点だけで判断できる話ではありません。移行の可否や損得は、発電所の規模・立地・運用体制によって大きく変わります。

FIPは投資にどう影響するか|判断フロー

朝日に照らされた太陽光発電所と人の後姿
適切な選択を見極める(イメージ)

制度の違いは、そのまま収益の「読みやすさ」と「必要な手間」に跳ね返ります。自分の検討案件がどちらになるか、次の順で当てはめると整理できます。

自分の物件はFITかFIPか

  1. 出力が50kW未満か。該当すれば原則FIT(10kW以上50kW未満で2026年度FIT単価9.9円)。地域活用要件を満たす前提。
  2. 出力が50kW以上250kW未満か。該当すれば2026年度は原則FIPのみ(基準価格9.6円)。
  3. 出力が250kW以上か。入札制(2026年度の供給価格上限は9.60円)。
  4. 沖縄・離島等の供給エリアか。該当すればFIP区分でもFIT適用の可能性。

FIPを選ぶ・引き受けるときの確認点

FIP案件では、売電単価が市場に連動する前提で回収年数を見積もる必要があります。業者のシミュレーションが特定の市場価格を前提にしている場合、その前提が外れれば結果も変わるため、「業者表示の単価」として扱い、単価が下振れしたケースも自分で試算しておくのが安全です。あわせて、事業用太陽光(10kW以上)はFIT・FIPを問わず廃棄等費用の積立てが義務づけられており、2026年度認定の地上設置50kW以上では解体等積立基準額0.62円/kWhが売電量に応じて差し引かれます。出力制御についても、2021年4月以降は全エリアで無制限・無補償ルールが適用され、制御された時間帯の売電はゼロになり得ます。FIPかFITかにかかわらず、これらのコスト・制約は実質利回りに効いてきます。

さらに、2027年度以降は地上設置の新規FIT/FIP認定が原則として支援対象外になります(2026年度の落札案件と、2026年度以前に認定を受けた案件のFIP移行は認められます)。これから地上の新設を検討するなら、2026年度中の認定を取るか、中古(セカンダリー)市場の既認定案件を検討するか、という前提で考えることになります。

よくある質問

FIPとFITはどちらが得ですか

一概には言えません。FITは単価が固定で回収計画を立てやすく、FIPは電力市場が高いときに受取総額が伸びる可能性がある一方、下がる局面のリスクを負います。2026年度の10kW以上50kW未満は基準となる単価が両制度とも9.9円で同じなので、この区分では安定を取るか市場上振れを取るかの選択になります。

FIP転とは何ですか

すでにFIT認定を受けた案件をFIP制度へ移行することです。2026年度以前に認定を受けた案件や2026年度の落札案件で認められています。市場価格が高い局面での収入増をねらえますが、市場で売る運用体制と価格変動リスクの引き受けが前提になります。

50kW未満でもFIPを選べますか

事業用太陽光は一定の条件を満たせば50kW未満でもFIPを選べます。ただし2026年度は低圧区分の中心はFITで、FIPは50kW以上が主な対象です。個別の可否は認定要件によります。

FIPだと出力制御の扱いは変わりますか

出力制御のルール自体は制度で大きく分かれるものではなく、2021年4月以降は全エリアで無制限・無補償ルールが適用されています。2022年4月からはオンライン代理制御(経済的出力制御)も導入されており、制御時間帯は売電収入が得られない前提で計画する必要があります。

FIPでも廃棄費用の積立ては必要ですか

必要です。事業用太陽光(10kW以上)のFIT/FIP認定事業者は廃棄等費用積立制度の対象で、原則として買取・交付費用から解体等積立金が差し引かれる外部積立てが基本です。2026年度認定の地上設置50kW以上は0.62円/kWhが基準額です。

2027年度以降もFIPで新規に始められますか

地上設置は、2026年度の落札案件を除き、2027年度以降は新規のFIT/FIP認定対象とならない方針です。2026年度以前に認定を受けた案件や2026年度落札案件のFIPへの移行は認められます。新設を検討する場合は2026年度中の認定や中古案件が前提になります。

参考・出典

  • 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html
  • 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等について(別紙)」 https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/114_b01_00.pdf
  • 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」 https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20260205_1.pdf
  • 資源エネルギー庁「出力制御について」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/grid/08_syuturyokuseigyo.html
  • 資源エネルギー庁「廃棄等費用積立ガイドライン」 https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000231850
タイトルとURLをコピーしました