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販売会社の資料に「25年保証」と大きく書かれていたので安心して契約したものの、いざ発電量が落ちてメーカーに連絡したら「それは施工が原因なので対象外」と言われた。太陽光投資でよく起きる行き違いの多くは、保証が実は3種類あって、それぞれ「保証する相手」が違うことを知らないまま契約したところから始まります。
先に結論を言うと、太陽光の保証は製品保証・出力保証・施工保証の3つに分かれ、前の2つはパネルなどをつくったメーカーが、最後の施工保証は工事をした会社が負います。だから「何年保証か」の一言で比べるのではなく、誰が・何に対して・何年・どの状態になったら払うのかを保証書の条文で1つずつ確認するのが正しい選び方です。売電収入で回収する投資である以上、保証は利回りを守る最後の防波堤になります(利回りそのものの見方は太陽光投資とはで扱っています)。
保証は3種類、それぞれ「守る相手」が違う
まず全体像を1枚で押さえます。太陽光発電所の保証は、ざっくり次の3層です。1つの発電所でも、パネル・パワコン(パワーコンディショナー=直流を交流に変換して系統に流す機器)といった機器の不具合はメーカー、工事の不具合は施工会社、というように責任の持ち主が分かれている点が最大のポイントです。
| 保証の種類 | 保証する人 | 守る対象 | 典型的な期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 製品保証(機器保証) | メーカー | パネル・パワコン等の機器そのものの故障・不良 | 10年前後(有償延長あり) |
| 出力保証 | メーカー | パネルの発電性能(出力)が規定値を下回ること | 25年前後 |
| 施工保証(工事保証) | 施工会社・EPC | 架台のぐらつき・雨漏り・配線など工事に起因する不具合 | 施工会社ごとに設定(要確認) |
この表で見落としがちなのが、製品保証と出力保証は別物だが、どちらもメーカーが負うという点です。逆に、地面や屋根への据え付け、配線、フェンスや監視装置の取り付けといった「現場の仕事」の保証はメーカーの守備範囲外で、施工会社が引き受けます。ここが分かれているため、トラブルが起きたときに「どちらに連絡すればいいか」を最初に確認しておく必要があります。
製品保証(メーカー)は機器の「壊れ」を守る
製品保証は、パネルやパワコンといった機器が、設計や製造の不具合で壊れたときに、無償で修理・交換してもらえる保証です。パワコンは可動部や電子部品を含むため、パネルより保証期間が短めに設定されることが一般的です。多くのメーカーがパネルで10年前後を標準とし、有償で延長できる仕組みを用意しています。
注意したいのは、製品保証は「壊れたこと」に対する保証で、後述の出力保証(発電量が落ちること)とは対象がまったく違うことです。パネルが割れていなくても発電量だけがじわじわ落ちるケースは、製品保証ではなく出力保証の話になります。契約前に、パネル・パワコンそれぞれの製品保証年数と、延長した場合の費用・条件を分けて確認しておくと安全です。
出力保証(メーカー)は「発電性能の劣化」を守る
出力保証は、パネルの発電出力が、決められた年数の時点で規定の割合を下回ったら、修理・交換や差額の補償をする保証です。太陽光パネルは経年で少しずつ出力が下がるため、「何年で何%を割ったら対象か」というしきい値(基準となる割合)が保証書に必ず書かれています。
実際の設定例として、分譲・土地付き太陽光を扱うイーゲート(イーゲート株式会社)の主な取扱メーカーの例では、次のように定めています(2026年9月時点・公式サイト確認)。
| 保証 | 期間 | 対象になる状態 |
|---|---|---|
| メーカー製品保証 | 設置完了日から10年間 | 機器の故障・不良 |
| モジュール出力保証 | 設置完了日から25年間 | 10年で公称最大出力の90%未満/25年で80%未満に低下したとき |
この例では、起算点が「設置完了日から」である点、そして10年時点は90%、25年時点は80%という2段階のしきい値で判定される点が読み取れます。ただしイーゲートの公式サイトも「主な取扱メーカーの例で、メーカーにより異なる」と明記しており、割合も年数もメーカーごとに違います。
もう1つ実務で効くのが、劣化率そのものを保証しているわけではないという点です。公的な劣化率のデータは整備されていないため、投資の想定発電量を組むときは、メーカーが示す「25年で80%」といった出力保証の水準を、下振れ側の目安として置いておくと堅めの試算になります。
施工保証(施工会社)は「工事のミス」を守る
施工保証は、架台の据え付け、基礎、配線、屋根への固定といった工事に起因する不具合を、工事をした会社が保証するものです。メーカーの製品保証・出力保証ではカバーされない領域で、雨漏り・架台のぐらつき・配線不良・フェンスや監視装置の取り付け不良などがここに入ります。
施工保証はメーカーが決めるものではなく、施工会社(EPC=設計・調達・建設を一括で請け負う事業者)ごとに年数も範囲もバラバラです。そのため、施工保証の有無・年数・対象範囲は各社の契約書で個別に確認する必要があります。とくに投資用の野立て(地上設置)では、施工会社が倒産・撤退すると保証の受け皿がなくなるため、会社の継続性と、保証書が第三者にも引き継げるかまで見ておくと安心です。
保証書で確認する5項目(契約前チェック)
「25年保証」という言葉だけで判断せず、次の順で保証書と契約書を突き合わせてください。1つでも空欄や口約束のものがあれば、書面で明確化してから契約するのが原則です。
- 保証の種類:製品・出力・施工の3つがそろっているか。抜けている層はないか。
- 保証する相手:それぞれメーカーか施工会社か。連絡先の窓口はどこか。
- 期間と起算点:契約日か、設置完了日か、系統連系日か。起算点で実質の年数が変わります。
- 対象になる条件:出力保証なら「何年で何%未満」。免責(対象外になるケース)に何が書かれているか。
- 引き継ぎ:発電所を売却したとき、保証が次の所有者に移るか。中古(セカンダリー)で買う場合は残りの保証範囲。
保証の維持には定期点検やメンテナンスの実施が条件になっていることも多いので、保守委託(O&M)の内容とセットで見ると、保証が実際に効く状態を保てます。
よくある質問
製品保証と出力保証は何が違うのですか。
製品保証はパネルやパワコンが「壊れた」ときの保証、出力保証は壊れていなくても「発電性能が規定より落ちた」ときの保証です。対象が異なり、どちらもメーカーが負います。年数も別々に設定されるのが一般的です。
「25年保証」とあれば全部25年守られますか。
多くの場合、25年は出力保証の年数で、機器の製品保証はより短い10年前後です。1つの数字が全部の保証に当てはまるとは限らないため、種類ごとに年数を分けて確認してください。
出力保証の「何%」はどう決まっていますか。
メーカーごとに異なります。イーゲートの取扱メーカーの例では10年で90%未満・25年で80%未満が対象ですが(2026年9月時点・公式サイト確認)、割合も年数も製品により変わるので、購入物件のパネルメーカーの保証書で確かめる必要があります。
施工が原因の不具合はメーカー保証で直せますか。
原則として直せません。架台のぐらつきや雨漏り、配線不良などの工事に起因する不具合は施工会社の施工保証の範囲で、メーカーの製品保証・出力保証とは別枠です。
施工会社が倒産したら施工保証はどうなりますか。
施工保証は施工会社が負うため、倒産・撤退すると受け皿がなくなる可能性があります。契約前に会社の継続性や、保証が第三者に引き継げる仕組みかどうかを確認しておくと安全です。
中古(セカンダリー)で買うと保証は残りますか。
保証書に引き継ぎの規定があれば残ります。ただし残存年数や対象範囲は物件ごとに違うため、購入前に各保証がいつまで・どの範囲で有効かを書面で確かめてください。
参考・出典
- イーゲート株式会社 保証・メンテナンス https://www.e-gate.co.jp/product/maintenance.html
- イーゲート株式会社 会社概要 https://www.e-gate.co.jp/company/info.html
- 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html

